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学生運動が世の中を変えられると信じられていた時代の息遣いが聞こえてくる. 東大安田講堂陥落をリアルタイムでは知らない世代が作っているのに、そんな感じがする映画でした. 山下敦弘監督が渾身の想いを込めて、一見退屈に感じてしまうかも知れない世界観を見事に「あの時代の話」として見せ切った、切なさと力強さが同居した映画だと思います. 学生運動が下火になり始めた1971年. リアリズムよりもセンチメンタリズムな文章で世の中に一石を投じたいと思う記者・沢田と、自分の思想を手前勝手に推し進めていこうとする革命家まがいの片桐こと偽名・梅山. まず現代の感覚で見ると片桐は本当にダメな最低野郎です. ディベートで論破されれば相手を敵扱い、沢田の上司を介して1万円をせびる、沢田には謝るどころか憧れの革命思想家・前園勇と会うために利用する、組織を辞めたがっている女子学生を言葉巧みに丸め込んだうえに抱く、他組織の人間をダマして手下にする. そして自衛隊の武器奪還を仲間うちにさせておきながら、逮捕されれば自衛官を殺した責任を前園や沢田に押し付けると本当にダメな最低野郎なんですが、これが松山ケンイチが巧く演じているからでしょうか、それともアメリカン・ニューシネマ全盛期と同時期の話だと意識してしまうからでしょうか、こんなヤツでも信じてしまう沢田の気持ちも分からんでもないんですよね. そもそも沢田は学生運動に賛同していながら自分は安全地帯で見ていたことを後悔している身. それが片桐に利用される一因にもなったのですが、世の中に不満を持っていながら何らかの行動に起こせなかった後悔というのはあの時代を生きていた人なら少なからず持っていた感情のはず. 海の向こうアメリカでは 『真夜中のカーボーイ』 を始めとした、世の中を変えようとする術が暴力から芸術へと代わっていった時代. 沢田のように「自分も! 」と意気込んでは具現化できずにもどかしい日々を送っていた若者にとっては、三島由紀夫を引き合いに出して熱く語る片桐という存在はどこか自分の果たせなかったことを実現してくれるような幻想的な魅力があったのでしょうね. でも片桐がやっていたことはただの暴力であり、嘘を嘘で塗り固めただけのもの. 片桐が逮捕されたことで気持ちが高ぶり過ぎていた時には見えていなかった彼の本性を知りえても、倉田眞子が表紙モデルから女優として頑張っても21歳で他界してしまったり、雑誌より新聞の方がえらいと言い切る上司により情報源の守秘が軽んじられたあの時代を生きた沢田にとって、片桐は少しでも絶望の中に希望を垣間見れる存在であったのかも知れません. しかし片桐もまた他の学生運動家と同じく、希望を絶望に変えただけの存在. 何のために存在していたのか、何を信じて行動していたのか分からない存在. ですから偶然入った居酒屋の店主がかつて一緒に夜店でウサギを売っていたタモツだったあのラストシーン. 沢田が思わず流した涙は、片桐と記者であったことを隠した弱い自分を悔いた涙なのか、それとも片桐が過激な運動をしようが倉田が若くして人生を終えようが関係なく世の中(居酒屋)は談笑という平和に満ち溢れている無情さに自分たちの存在意義を哀れんだ涙なのか. きっとそれはあの時代を生きた人にしか分からない涙なのでしょう. 定点カメラによる長回しシーンを多様するなど、決して感情的になることなく淡々と、でも力強くあの時代を描いたこの映画. この時代だからこそあの時代の息遣いが聞こえてくるのかも知れない. そんな気がする映画でもありました. 深夜らじお@の映画館 は学生運動とは無縁の時代生まれです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう. 下記に、「50代はファイナンス、証券取引のサイトをご覧になっておられる」 というDATAが出ましたが、そんな50代のあなたに! こんなサービスが! ※もちろん全世代、これからのスタンダードだと思います. ソニー銀行「 人生通帳 」 すごくカンタンに説明すると 「(大山のぶ代ふうに)今までの、いろんな銀行の通帳やカードや公共料金引き落としや、証券会社の営業さんや投資信託や自動車ローン、めんどくさいでしょ? ! 」 Q: めんどくさいよ! どうしたらいいの? ! ソニえもん~! ! ムートンブーツ ugg A: てれれれっ「人生通帳~♪」(まとめて全部、ネット上でお引受け) みたいなかんじですね( イメージ動画 はこちら). ファイナンスこそ、口うるさい家族や、カラオケ下手で利己的な友人に相談できる話ではなく、データベースよりはじき出されるネットからのインフォが、実は一番安心、かつ、必要とされるのかもしれないですね. 海外でも週間数千~万単位で会員が増えると ウワサのファイナンスサイト がこちら. 波、来てますね. 発売日が12月22日に決定したPS3用A