田中防衛相の外遊、断念 野田内閣、審議へ

野田内閣は29日、シンガポールで6月1日から開かれる国際会議への田中直紀防衛相の派遣を断念する方針を固めた. 国会開会中の閣僚の海外出張は国会で了解を得るのが慣例だが、田中氏への問責決議を理由に野党が認めず、国会審議への影響が避けられないと判断した. 代わりに渡辺周防衛副大臣を派遣する方向だ. 29日の衆院議院運営委員会理事会では、新党きづなを除く野党が出張に反対した. 内閣は同日に参院議院運営委員会の理事らにも了解を求めたが、自民党は問責決議を理由に強く反発. 田中氏にこだわるなら、無関係の2閣僚の海外出張も認めないと牽制(けんせい)した. 野田佳彦首相は田中氏の交代を求める野党の要求を拒否. 民主党城島光力国対委員長も25日の記者会見で野党が反対しても海外出張させる考えを示していたが、藤村修官房長官は29日の会見で、国会審議への影響を懸念して「調整が必要」と表明. 最終的に田中氏の派遣を断念した. 北朝鮮で昨年、麻薬と偽造貨幣に関する犯罪に関わった疑いで拘束されていた日本人男性2人が、19日までに相次いで帰国していたことがわかった. 松原仁国家公安委員長拉致問題担当相が20日の記者会見で明らかにした. 警察当局によると、帰国したのは、関東地方在住の男性2人. 18日と19日に、中国経由で関西空港に帰国したという. 2人は昨年3月、北朝鮮北東部の羅先市で拘束された. 同時に拘束された北海道在住の男性はまもなく解放され、朝鮮中央通信が「国外に追放した」と伝えたが、残る2人は拘束されたままになっていた.