用明・推古天皇の陵墓、現地調査へ 宮内庁

大阪市長の選挙支援名目の職員リストが捏造(ねつぞう)された問題で、リストを基に市議会で質問した大阪維新の会市議団は30日、会見を開き、美延映夫幹事長が「委員会で断定的な表現で質疑し、反省している」と陳謝した. 一方で、美延氏は「労組に謝罪するつもりはない」との考えも示した. 維新の杉村幸太郎市議は2月10日の特別委員会で、交通局の非常勤職員(27日付で解雇)から提供されたリストを取り上げ、「このような名簿リストが局内に存在したということは、交通局と(労働)組合が組織ぐるみで市長選挙に関与していたことを裏付けるものだと考える」と指摘. 交通局側の見解をただした. これまで維新は「謝罪の必要はない」としていたが、会見では「結果的に内部告発者自身の作成だったことは事実」と認め、「誠に遺憾」とした. 一方で「疑惑文書の真偽を確定しなければ質疑できないなら、市民の知る権利の障害になる」と、リストを質疑で取り上げたことに問題はないと主張した. 岡田克也副総理は31日、70~74歳の医療費の窓口負担について「暫定的に1割になっているが、2割に戻させていただきたい」と語り、2013年度以降に引き上げるべきだとの認識を示した. 青森市で開かれた消費増税社会保障の一体改革の対話集会で語った. 70~74歳の医療費負担は、自公政権時代に1割から2割への引き上げを決めたものの、高齢者への配慮などから実施しないまま凍結. 毎年2千億円を超す予算を投じ、1割負担で据え置いている. 野田政権は12年度から2割に引き上げる方向で当初検討したが、民主党内の反発を受けて見送っていた. 岡田氏は集会後、「政府としての議論はこれからだ. ただ、私(の考え)は早期に戻すべきだ」と記者団に述べた. 宮内庁は16日、日本考古学協会などの考古・歴史学の16の学会に対し、調査のため、用明天皇の陵墓に指定している用明陵(春日向山古墳)と推古天皇の陵墓に指定している推古陵(山田高塚古墳)=いずれも大阪府太子町=への立ち入りを認める、と発表した. 調査は23日に行われる. 二つの古墳は、一辺が60メートル前後の方墳で7世紀に造られたと考えられている. 同庁は学会に対し、2008年から陵墓への立ち入り調査を許可しており、今回が5回目. 立ち入り時間は用明陵が約1時間、推古陵が約1時間30分. 同協会理事(陵墓担当)の山田邦和・同志社女子大教授は「天皇陵が、前方後円墳から方墳へと変わっていく転換期の古墳. そのあたりをよく調査したい」と話している. (宮代栄一).