南極観測船「しらせ」帰国 左舵だけで航海

米政府は20日オバマ大統領が25日に韓国と北朝鮮軍事境界線付近の非武装地帯(DMZ)を訪問すると発表した. 北朝鮮情勢をめぐる緊張が解けないなか、米国と韓国の結束を示す狙いという. オバマ氏はソウルで開かれる2回目の核保安サミットに出席するため、25~27日に韓国に滞在する. 米大統領によるDMZ視察は2002年のブッシュ前大統領以来、約10年ぶり. オバマ氏は訪韓中、李明博(イ・ミョンバク)大統領をはじめ、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席や、ロシアのメドベージェフ大統領と会談. 核不拡散問題について大学で講演もする予定.

南極観測船「しらせ」が9日朝、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰ってきた. 厚い氷に阻まれて18年ぶりに昭和基地に接岸できなかったうえ、2万キロ近い帰路は右舵(かじ)が壊れて左舵だけでしのいだ. 基地周辺はここ数年海氷が厚い状態が続く. しらせは氷に体当たりして砕氷する「ラミング」を2422回繰り返したが、基地まであと21キロの距離で接岸を断念. ヘリコプターと雪上車で計画量の6割弱にあたる物資を運んだ. 防衛省によると、右舵は帰途についた2月13日に故障. 砕氷中に氷の塊にぶつかったとみられるという. 観測隊員や乗員をヘリで救出する輸送艦の派遣も検討されたが、ラミングを1809回繰り返して氷の海から脱出した. (中山由美).