爆発事故の岩国大竹工場、7月に運転再開へ

三井化学は14日、今年4月に従業員1人が死亡する爆発事故が起きた岩国大竹工場(山口県)について、7月中にプラントの大部分の運転を再開すると発表した. 爆発が起きたレゾルシン(タイヤの接着剤の原料)のプラントなどについては、事故原因が解明されるまで再開しない. 事故が2013年3月期の業績に与える影響は、生産量の減少や周辺住民への補償などによって計60億円ほどの減益要因になるとの見通しを明らかにした. 4日の東京株式市場は、東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)が一時、バブル後最安値を更新した. リーマン・ショック後の2009年3月12日につけた698.46を下回り、1983年12月以来、約29年ぶりの安値水準をつけた. 欧州危機への不安や円相場の高止まりに加え、米雇用統計が市場予想を大きく下回り世界景気の減速懸念が高まっているためだ. 午後1時時点のTOPIXは同16.12ポイント低い692.81. 金融や電機など時価総額の大きい企業を中心に株価が下がり、TOPIXを押し下げた. 日経平均株価も一時、前週末より200円超値下がりして8200円台となり、今年最安値を更新した. 午後1時時点の日経平均は前週末より178円37銭安い8261円88銭. 日経平均は、前週末の欧米市場が大幅安だったことを嫌気し、全面安の展開となっている. 欧州との取引が多いソニーは一時、節目の1000円を割り込み、約32年ぶりの安値をつけた. 4日のアジア市場も大幅安で取引されている. 一方、4日の東京外国為替市場は、政府・日本銀行による為替介入の警戒感から、積極的な円買いは手控えられている. 午後1時現在、対ユーロでは1日午後5時時点より06銭円安ユーロ高の1ユーロ=96円98銭~97円01銭. 対ドルでは同32銭円高ドル安の1ドル=78円17~19銭. 前週末はユーロは一時、11年半ぶりの水準となる1ユーロ=95円59銭、ドルも3カ月半ぶりの水準となる1ドル=77円66銭をつけたが、その後は買い戻されている. 損の拡大をおそれた投資家が株式を売って、比較的安全とされる日本国債を買った結果、長期金利は一時、0.790%に低下した. 0.8%を下回るのは約9年ぶり. (細見るい、福田直之).