雲間にちらり、「金星食」に一喜一憂 次回

穀物取引の国際的な指標になっている米シカゴ商品取引所で、主な穀物価格が9日、軒並み値上がりした. トウモロコシの12月物の先物価格は、1ブッシェル(約25キロ)=8.2975ドルまで上昇し、7月20日につけた過去最高値(1ブッシェル=8.2875ドル)を約3週間ぶりにぬりかえた. 米中西部の穀倉地帯では、記録的な暑さと雨の少なさにより、深刻な干ばつ被害が出ている. トウモロコシの秋の収穫が少なくなるとみられ、買い注文が多く入った. 大豆や小麦などの価格も値上がりした. 米国は世界最大の穀物輸出国のため、収穫量が減れば、世界的に食料価格が上昇する可能性もある. そうなると、家庭の食卓にのぼる食品の価格にも影響が出るおそれがある. (ニューヨーク=畑中徹). 金星の前を月が横切って隠す「金星食」が14日未明にあった. 停滞前線に伴う雲が日本列島にかかっていたが、九州、関東、北海道などの一部地域では天体ショーが雲間から観測された. 宮崎県都城市のたちばな天文台は観測会を開き、約50人が集まった. 金星は午前2時40分ごろ、月に隠され始め、歓声が上がった. 間もなく雲に覆われたが、再び晴れ間に. 台長の蓑部樹生さん(66)は「一喜一憂の観測でした」と話す. 国立天文台によると、夜間に金星食の一部始終がほぼ全国で起きたのは1989年12月以来. 次回は2063年5月に起きるという. (阿部彰芳). 沖縄県仲井真弘多(ひろかず)知事が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に向けた政府の環境影響評価(アセスメント)に「自然環境の保全を図るのは不可能」との意見をまとめたことを受け、田中直紀防衛相は20日、記者団に「厳しい見解、意見だった. 適切に対処したい. 今後も真摯(しんし)に理解を求めていきたい」と語った. 県内移設の手続きを進める野田政権にとって、今回の知事意見で展望のなさが改めて浮き彫りになった. 普天間移設が進まないと在沖海兵隊のグアム移転に踏み切れないとする米国に押され、防衛省は移設先とする沖縄県名護市辺野古の埋め立てを前のめりに進めてきた. 昨年末にはアセス評価書を未明に沖縄県庁に運び込み反発された.